2010-02-15 19:07:07

教皇、ローマ教区のカリタスを訪問


教皇ベネディクト16世は、14日午前、ローマ市内のカリタス施設を訪問された。

ローマ・テルミニ駅の一角にあるローマ教区カリタス・センターは、30年以上前、ルイジ・ディ・リエグロ神父(1928-1997)によって設立された。「街の中でたった一人の人の苦しみが軽減されるだけでも、その街はより良くなったのだ」と述べた同神父は、カリタスを通して、ホームレスの人々や社会的に疎外された人々を受け入れその苦しみに寄り添う活動を広げた。現在、テルミニのカリタスでは、診療所と食堂、宿泊所が運営されている。

この朝、教皇はカリタス・センターを訪れ、診療所の医師たちや、食堂で奉仕するボランティア、そして宿泊所の入所者らと感動に満ちた出会いを持たれた。

宿泊所で関係者の合唱する歌に迎えられた教皇は、入居者ら一人ひとりの話に耳を傾けられた。

教皇は続いて食堂で行われた集いで、教会は苦しむ人たちの中にキリストの御顔を認めるがために、貧しい人々を深く愛し、彼らを決して見捨てることはないと話された。

人間は物質的に養われ助けられることのみならず、人間の真理を知り、尊厳を認められることを必要としていると教皇は強調。神の似姿に創られた人間が神に愛され、キリストによって贖われ、その交わりに招かれているという真理を、教会はその奉仕を通して貧しい人たちに知らせなければならないと説かれた。

おりしもヨーロッパで「貧困と社会的疎外と闘う年」が記念されているこの機会に、教皇は行政責任者やすべての善意の人々に、愛こそ、真の発展と正義・兄弟愛にあふれた社会の実現の推進力であると呼びかけられた。

人が自己の利益の追求に始終する現代社会において、人類家族として人を受け入れ合い、平和に共存すること、そのための無償の努力が、日常生活と人間関係を構築するための建設的要素としていかに重要であるかを指摘しながら、教皇はカリタスで行われているこの豊かな働きが、特に今経済危機で苦しむ社会と世界に広がっていくようにと願われた。







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