2010-02-12 18:48:35

世界病者の日:教皇「病者と司祭の福音的連携を大切に」


典礼暦で「ルルドの聖母」を祝った11日、カトリック教会は「第18回世界病者の日」を記念した。
1858年、フランス南西部ピレネー山麓の寒村ルルドの洞窟で、聖女ベルナデッタは、聖母の出現を見た。聖母が示した場所から涌き出た泉の水は人々を癒したことから、ルルドの聖母は、病者や苦しむ人々の保護者となり、今日でも同地の巡礼聖堂には、信仰の中に心身の癒しと生きる希望、勇気を求めて訪れる人々が絶えない。
1984年2月のルルドの聖母の日、前教皇ヨハネ・パウロ2世は、使徒的書簡「サルヴィフィチ・ドローリス-苦しみのキリスト教的意味」を発表。翌年の同日には教皇庁医療使徒職評議会を開設した。さらに1993年、「世界病者の日」を設定。病者がふさわしい援助を受けられるように、また、苦しむ人々が自ら苦しみの意味を受けとめていくための精神的助けを得られるように、カトリック医療機関をはじめ、社会一般に訴えていく日とした。
教皇ベネディクト16世はこの日、バチカンの聖ペトロ大聖堂で記念のミサを捧げられた。ミサには世界中の巡礼者をはじめ、病者と家族、医療関係者、ボランティアの人々が多数参加した。
病気と向かい合う勇気、信仰の力と主における希望だけで病気に立ち向かう勇気は、苦しむ人たちを助けようと多くの時間とエネルギーを捧げる人たちの努力同様、神の恵みに促された一つの奇跡ではないだろうかと教皇は述べ、病者と、病者に奉仕する人々に温かい励ましをおくられた。
特に現在行われている司祭年にあたり、教皇は「病者と司祭」の関係に注目され、病者は司祭を呼び、司祭はそれに応えるというその両者の福音的連携を大切にするよう勧められた。そして、病者の司牧が、家族、周囲の人々、共同体からはじまり、やがては教会と世界全体にまでもたらす計り知れない大きな善を指摘された。
教皇は、「人類の度量は、苦しみと苦しむ人々の関係で図ることができる」と述べ、病者が人間らしく受け入れられケアされる世界を推進し、病気という人間的体験に患者が意味を見出しながら生きることができるよう、教会関係者らに一層の努力と支援を願われた。







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