2009-12-16 17:04:45

教皇一般謁見・カテケーシス要約(2009.12.16)


教皇ベネディクト16世は、バチカンで16日、水曜恒例の一般謁見を行われた。

謁見中のカテケーシス(教会の教えの解説)で、教皇は中世のキリスト教文化の考察として、神学者ソールズベリーのジョンを紹介された。

教皇のカテケーシスの要約は以下のとおり。

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中世のキリスト教文化をめぐるカテケーシスの中で、今回は12世紀の傑出した哲学者にして神学者であったソールズベリーのジョンを取り上げましょう。

ジョンはイングランドに生まれ、パリとシャルトルで学びました。聖トマス・ベケットに親しかった彼は、国王ヘンリー2世治世下の教権と俗権をめぐる危機に巻き込まれました。彼はシャルトルの司教として死去しました。

ソールズベリーのジョンの有名な著作に「メタロギコン」があります。彼はこの中で、真の哲学は交わりの性格を持ち、それは知恵のメッセージに実を結び、真理と善に基づいた社会の構築に寄与すると述べています。

人間の理性の限界を認めながらも、ジョンは対話と議論を通して真理に到達することができると主張します。神の完全な叡智を分け与えられて得た信仰は、理性の力を完全に発揮することを助けてくれます。

もう一つの著作「ポリクラティクス」で、彼は客観的な真理を知るための理性の能力を擁護し、普遍的な自然法を強調し、良法においてそれを具体化する義務を説いています。

冷静な理性の使用と自然法にのっとった真理と正義の原則よりも、「相対主義の独裁」に影響された法が人の命と尊厳に脅威をもたらしているという観点において、ジョンの洞察は今日においても非常に意味を持っています。







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