2009-09-29 18:33:29

教皇、スタラ・ボレスラフでミサ、若者たちに励まし


教皇ベネディクト16世は、チェコ司牧訪問最終日の28日、同国の保護聖人・聖ヴァーツラフの殉教地、スタラ・ボレスラフでミサを捧げられた。

典礼暦でチェコの保護聖人・聖ヴァーツラフを記念するこの日は、同国の国民祝日である。

聖ヴァーツラフ(907頃‐935)は、ボヘミア公の王子として生まれ、父の死後、若くして王位を継いだ。祖母ルドミラ(後に聖人となった)からキリスト教教育を受けた。その敬虔さ、勇気と寛大で人々から愛された彼は、同国のキリスト教化に大きな役割を果たしたことでも知られる。しかし、935年、弟ボレスラフや配下の貴族たちの政治的反対勢力により、スタラ・ボレスラフの教会で祈っているところを殺害された。ヴァーツラフの遺体は、938年、プラハの大聖堂に移された。

教皇は聖ヴァーツラフが殉教した場所の上に建てられたバジリカを訪問。地下聖堂の同聖人の聖遺物の前で祈られた。

この後、教皇は郊外の緑地帯で、およそ4万5千人の巡礼者と共にミサを捧げられた。

参加者の中で際立っていたのは、チェコ全国、そして近隣のスロバキア、ポーランド、ドイツ、オーストリアなどから訪れた大勢の青年たちで、前日から現地入りし、ゆるしの秘跡を受け、聖体礼拝などに参加しながら、テントで一夜を明かした若者たちの熱心で活気あふれる姿は、さながら中欧の「世界青年の日(ワールドユースデー)」を思わせた。

教皇はミサの説教で、今日においても聖性は可能なのか、むしろ現代の人が求めているのは地上的な成功と栄光ではないのかと問いかけながら、しかし、こうした目的の追求は長くは続かず、歴史が証明しているように、多くの権力者は、その成功の絶頂の後、突然それを失うことになったと話された。

神を否定する人は、結果として人間をも尊重せず、その人生は物質的成功を得るとしても、その人の内面には悲しみと不満が残る、一方で、神を畏れる人は、人間をも信頼し、より正しく友愛に満ちた世界を築くために人生を輝かせると説きながら、教皇は信仰の人、聖ヴァーツラフのように、勇気を持って、常に忠実にキリストに従うよう皆に呼びかけられた。

また教皇はミサの後半、若者たちへのメッセージで、幸せの追求と不安の入り混じった青年たちの気持ちを理解されつつ、聖アウグスティヌスの経験のように、本当に確かなもの、すなわちイエス・キリストと出会い、心を開くことで、人生に新しい地平線を開いて欲しいと願われた。

「若者の皆さん、あなた方は教会の希望です」と話された教皇は、青年たちを2011年のワールドユースデー・マドリッド大会へと招かれた。

若者たちは教皇に教会での日頃の活動などを記録した写真集と、連帯のしるしとして皆で募金したアフリカへの支援金を手渡した。







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