2009-09-02 19:01:53

「神の愛が多くの悪から世界を救う」教皇一般謁見


 
ローマ特有の真っ青に晴れわたった好天に恵まれたこの日、バチカンのパウロ六世一般謁見ホールは、朝早くから、教皇の話に耳を傾けその祝福を受けようと世界各国から集まってきた8千人の信徒や巡礼者で一杯になった。目下ローマ郊外カステルガンドルフォの夏の教皇宮殿に滞在中の教皇ベネディクト十六世もヘリコプターでこの日の一般謁見のために定刻通りバチカンに到着した。

巡礼者たちの盛大な歓声に迎えられて教皇が席につかれると、はじめに各巡礼団の紹介が行われ、引き続き各国語での聖書の一説が朗読され、その後、夏の期間しばらく中止されていた教会の偉大な教父たちについてのカテケシス(教会の教えの解説)が行われた。教皇はこの日は中世フランスの偉大な修道院長聖オドについて解説された。聖オドは若くしてフランス、クリューニー・ベネディクト会修道院に入り厳しい修徳生活を送り、後に同修道院の大院長に選ばれた。聖オドは自分自身には厳しい掟を常に課していたが、他人にはこの上もなく優しく柔和で忍耐強くあったと言われている。当時中世ヨーロッパの各地を害していた悪徳に力強く戦い、特にキリストの聖体への真の信仰を鼓舞するための多くの教えを残している。心からの信仰をもって拝するなら、聖体の秘蹟は人のまことの救いの元となるが、その反対の場合には何の役にも立たなくなり無意味になると教え、人々にキリストの聖体とその御血に対する真の信心を培うよう指導した。

教皇はこのカテケシスをはじめにイタリア語で行われたが、引き続きその要約をフランス語、ドイツ語、英語、ポーランド語などヨーロッパ各語で繰り返された。

教皇はその後、第二次世界大戦勃発70周年を想起され、戦争の不条理、無意味さ残酷さなどを指摘しながら、すべての人々が神に赦しと平和と和解の精神を祈り求めるように勧め、現代の世界は愛と理解と交わりの精神を必要としていることを強調された。さらにキリストとその福音、愛と真理に土台を置く世界の再建に力をあわせて皆で心を一つにして励みましょうと呼びかけた。

その後教皇は謁見参加者一同とともに「主の祈り」をラテン語で歌われ教皇祝福を与えこの日の一般謁見を終え、カステルガンドルフォに帰られた。







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