2009-06-18 18:40:57

「司祭年」:教皇、すべての司祭に宛てた書簡発表


教皇ベネディクト16世は、18日、「司祭年」開催告示のための書簡を発表された。

この書簡は、19日から開幕する「司祭年」をより有意義に迎えるための霊的指針として、教皇がすべての司祭に向けて記されたもの。

書簡の中で教皇は、アルスの聖なる司祭、ヨハネ・マリア・ビアンネ神父の霊性に迫りながら、この司祭年を機会にキリストと教会に完全に献身する力を新たにするように司祭たちに呼びかけておられる。

教皇は書簡の冒頭で、世界のすべての司祭の保護者、聖ヨハネ・マリア・ビアンネ神父の帰天150年を記念し、「イエスのみ心」と「司祭聖化の日」である2009年6月19日(金)から、翌2010年同日までの1年間、「司祭年」を開催することを公式に宣言。この特別年にあたり、すべての司祭が今日の世界により強く明解な福音の証しを示すための内的刷新に励むことができるようにと、その目的を明示している。

「司祭職はイエスのみ心の愛です」というビアンネ神父の言葉に、教皇は司祭たちが教会だけでなく人類のためにも形作る多大な恵みと、彼らの奉仕職における日々の謙虚で隠された献身や苦しみに思いをはせられた。

また教皇は、教会がある司祭らの不忠実に非常に心を痛めていることにも言及。こうした件に対し教会は司祭らの弱さを確固として指摘すると同時に、一方で神の愛に燃えた多くの寛大な司牧者や修道者の素晴らしい姿を通して神の偉大な恵みを改めて知ることになったと述べている。

次に教皇はビアンネ神父の生涯や、彼が司祭職について抱いていた謙虚にして情熱的な考え、司祭としてのその模範的生き方を紹介している。

「良き司牧者、神のみ心に沿った司牧者は、神が小教区に与えうる最も大きな宝、神のいつくしみの最も尊い賜物の一つです」、「もし、地上における司祭とは何であるのかがよくわかったならば、私たちはきっと死んでしまうでしょう。それは驚きのためではなく、愛のために」。こうした聖ビアンネ神父の言葉を引用しながら、彼が司祭職に抱いていた果てしない責任感を教皇は示された。

ビアンネ神父は司教に請われて、信仰にあまり熱心でない小さな村の教会に派遣されたが、そこで同神父が注いだ全エネルギーによって人々は目覚しい回心をし、小教区は生き生きとしたキリスト共同体に生まれ変わっていったと教皇は記し、ビアンネ神父の忍耐強いと共に、精力的で幅広い活動がいかに信徒たちの心を掘り起こしていったかを回想されている。
教皇はビアンネ神父の教えの中でも、特に彼が聖体の重要さを説いていたことを強調。同聖人は、聖体の前で祈ることについて「よく祈るためにはあまり言葉は必要ではありません。聖櫃の中にイエスがおられることを私たちは知っています。心を開いて、その聖なる存在を喜びましょう。これが最高の祈りです」と言っていたこと、またミサの大切さ説きながら、神父たちに「司祭の怠慢は、ミサに対する注意が欠けていることが原因となっています」と指摘していることなどを記している。

また、ビアンネ神父は聖体に並んで、告解の重要さを認識し、祭壇から告解場への流れを大切にしていたことを教皇は指摘。あらゆるタイプの告解者にそれぞれ誠実に神の大きな愛を説くビアンネ神父のもとにはフランス全土から信者が訪れ、彼が告解を聴く時間は1日16時間にも及んだと述べている。

さらに、ビアンネ神父が司祭として厳しい自律を課し、従順、清貧、貞潔はもとより、徹夜の祈りや断食をし、イエスの贖いに司祭である自分も参与していたことにも言及された。

こうして、教皇は、ビアンネ神父を現代の司祭職を生きる人々の模範として示されている。







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