2009-06-02 18:32:04

聖霊降臨の教皇ミサ「聖霊は人を恐れに打ち勝たせる」核問題で広島・長崎の悲劇に言及


典礼暦で聖霊降臨の大祝日を迎えた31日、教皇ベネディクト16世はバチカンでミサを捧げられた。

この祝日は、キリストの復活後50日目に聖霊が使徒たちの上に下ったことを記念する。

教皇はミサの説教で、使徒言行録に記される聖霊降臨のエピソードで、聖霊が激しい風と炎の象徴をもって表されていることに注目。

風すなわち空気は生物的な生活の中で、また聖霊は精神的な生活の中で、どちらも人間が生きていく上で必要なものと教皇は述べ、大気の汚染があるように、今日の社会は人間の精神をも汚染しており、これに対して愛である聖霊の力が必要と話された。

また、聖霊のもう一つのシンボルである火について、教皇は真の火である聖霊は、キリストによって地上にもたらされたと強調。

しかし、現代、人間は自分が神であるかのように振る舞い、自分たちは独立し自由で成熟していると主張するその姿は、福音書のたとえ話にある父の家から離れた放蕩息子を思わせると指摘された。

このような神からの乖離は、単に人間の精神上の問題だけでなく、今や人類全体の問題にもなっており、こうした状態の人間が「火」を持つことはいのちと人類そのものに関わる危険をもたらすと述べた教皇は、核エネルギーが武力目的で使用されこれまでになかった多く死者を出した広島と長崎の悲劇を思い起こされた。

教皇はさらに聖霊降臨から学ぶこととして、祈りのうちに皆が集い調和していることの大切さを説くと同時に、聖霊が弟子たちに死をも恐れない勇気を与えたように、聖霊から恐れに打ち勝つ力を得るようにと呼びかけられた。







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