2009-03-05 16:15:59

2009年世界青年の日教皇メッセージ「わたしたちは生ける神に希望をおいている」


今年4月5日の世界青年の日に先立ち、教皇ベネディクト16世のメッセージが発表された。

世界青年の日はカトリックの若者の祭典で、毎年「受難の主日」(復活祭直前の日曜日、「枝の主日」ともいう)に教区レベルで、さらに毎2~3年の間隔で世界レベルの大会が記念される。

昨年のシドニー大会から、2011年のマドリッド大会へ向けての歩みの中で、今年の世界青年の日は「わたしたちは生ける神に希望をおいている」(1テモテ4,10)をテーマに、教区レベルで行なわれる。

教皇はこのメッセージを通し、キリストという真の偉大な希望に信頼するよう若者たちに呼びかけている。

「希望」は人間の生活、またキリスト者の使命の中心にある問題であり、特に現代社会において非常に必要とされているものと教皇は指摘。

すべての人が希望を必要とする中で、特に青年期は、未来への理想や計画を育てる一方で、自分の存在の意味、幸福や苦しみ、生や死について自問し、学業や就職の問題、家族や友人との関係の構築に悩む次期であり、希望の火を常に心に保つことが必要と述べている。

教皇は、人間や物質の力だけでは人が心に求める希望を保つことはできず、政治・経済・科学技術などの力だけでは、皆が渇望する大きな希望を与えることはできないとし、その偉大な揺るがぬ希望とは神以外にあり得ないと強調している。

こうした中で、「希望の証人」として教皇は使徒聖パウロの生き方を提示。モーゼの律法を熱心に遵守し、キリストの弟子たちを敵として容赦なく迫害していた若者パウロが、ダマスコ途上での回心の後、キリストの証人・宣教者として生きるようになり、「わたしたちは生ける神に希望をおいている」と言うまでになったのは、イエス・キリストの中に出会った神の愛に内側から変容されたためであると述べた。

パウロにとって希望とは単なる理想でも感情でもなく、それは生ける神、復活し、わたしたちと共におられるイエス・キリストにほかならなかったと教皇は強調された。そして、わたしたちはひとりではなく、キリストが共におられ、キリストこそがわたしたちの今と未来であるならば、何を恐れることがあろうかと問われた。

イエスはある日若きパウロにお会いになったように、皆さん一人ひとりにも会うことを望んでおられると述べた教皇は、祈り、み言葉、典礼を通しキリストに近づき、キリストによって養われた信仰と希望と愛を、聖パウロ、そして希望の母聖マリアに倣いながら自分自身の生活を通して人々に証ししていくよう、若い信者たちに願われた。







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