2009-02-13 17:39:16

教皇一般謁見・カテケーシス要約(2008.2.11)


親愛なる兄弟姉妹の皆さん

聖パウロの生涯と教えについてのカテケーシスをしばらく続けてきましたが、今回から教会の歴史の中で優れた教えを残した東西の教会の教父たちについての考察を再開しましょう。

今日は聖ヨハネ・クリマコについて一緒に考えましょう。

「クリマコ」という言葉は階段を意味します。聖ヨハネ・クリマコは、575年頃生まれました。シナイ山のふもとで、愛における完徳に達するために、この世の事柄を放棄しながら歩み上らなければならない階段についての本を書きました。この「階段」「クリマコ」という言葉に彼自身の名前が由来しています。

この霊的な旅には、三段階あります。

第一段階は、純粋な福音的精神、またより深い神との一致に立ち戻るため、この世のものから離脱することにあります。

そして第二段階は、徳を積む努力をしながら、様々な欲望に打ち勝つべく、霊的な戦いをすることにあります。これらの欲望から清められた時、恵みと自己放棄によって神に至る道が示されます。

第三段階として、聖ヨハネは識別の重要性を強調します。私たちは自分の行動のあらゆる面を、その動機に至るまで、深く観察し調べ尽くさなければなりません。これは私たちに神の神秘の深みを味わうための、霊魂の平穏をもたらしてくれます。

最後の階段は信仰と希望と愛徳にあります。

聖ヨハネの愛に関する教説には、神と霊魂との一致を象徴するものとして、人間的な愛である「エロス」も含まれています。

聖ヨハネの霊的階段の教えが、聖霊の助けによる絶えざる回心と清めを通して、洗礼によるキリストの死と復活の神秘への参与を、私たちにいつも思い起こさせてくれますように。

 







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