2009-02-02 18:50:24

ロシア正教会キリル総主教着座式に教皇からの祝辞


モスクワで1日、ロシア正教会のキリル新総主教の着座式がとり行われた。

キリル総主教は、27日、アレクセイ2世の後継者を決定する教会会議で、第16代総主教として選出された。

教皇ベネディクト16世は、新総主教着座式に、教皇庁キリスト教一致推進評議会議長ウォルター・カスパー枢機卿を団長とする使節を派遣した。

教皇は、カスパー枢機卿に、キリル総主教の就任を祝うメッセージを託された。

メッセージの内容は以下のとおり。

「新しい総主教として全ロシア正教会を導くという大きな責任を負うことになられたキル総主教様に、神のご加護を祈ると共にお祝いの言葉をおおくりします。

ロシア正教会の諸教会対話責任者としての任務にあられた頃から、何回となくお会いした時に示されたその善意をいつも思い起こしております。

総主教様の着座式に際し、私の総主教様に対する高い評価とお祈りをお約束します。天の御父が総主教様の上に聖霊の豊かな恵みを注ぎ、教会をキリストの平和と愛の中に導くことができますように。

総主教様は、私たちの尊敬すべき愛する兄弟、アレクセイ2世聖下の後継者となられました。アレクセイ2世聖下は全体主義政権と無神論主義の下にあって、信者たちに教会の刷新と発展という深い不変の精神的遺産を残されました。アレクセイ2世聖下はロシア正教会の一致、そして他の正教会との交わり、特にカトリック教会との交わりを大切にし、そのために疲れを知らぬ働きをされました。また、それだけではなく、世界とヨーロッパの前でキリスト教的価値を力強く擁護されました。

私は、新総主教様も前任者が築かれた確固とした土台の上に立たれ、ロシア全国民と世界中のキリスト者の善益のために働き続けられるだろうと確信しています。

総主教様は、かつて諸教会対話責任者として、キリスト教諸教会の間に深い友情と、また困難に遭遇するにしても、誠実な対話を通して、新しい関係を築きあげるための素晴らしい働きを実現されました。

「世界の人々が信じるようになるために、すべての人々が一つになること」を祈られた私たちの救い主の祈りに忠実に留まりながら、キリストの身体、教会の中にできるだけ早く深く強い交わりへの道を見出すための協力をこれからも続けていくことを熱く希望します。

聖霊があなたを呼ばれたその任務が大きな責任を負わせるものであることを意識しながら、総主教様のために祈り続け、常に兄弟的な友情を保つことを改めてお約束します。

全能の神が愛するロシアの教会を見守り、司教たち、司祭たち、そしてすべての信者をイエス・キリストの中にある私たちの揺ぎ無い希望の中に、その愛をもって祝福し、支えてくださるよう祈ります。」
 







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