2009-01-29 18:36:15

聖パウロのテモテとテトスへの手紙をテーマに、教皇一般謁見


教皇ベネディクト16世は、バチカンで28日、水曜恒例の一般謁見を行なわれた。

この日のカテケーシスで、教皇は聖パウロの書簡の考察を続けながら、同使徒が2人の弟子に宛てた3通の手紙、「テモテへの手紙」(2通)と「テトスへの手紙」(1通)を取り上げられた。

これらの書簡には、教会の司牧者のあるべき姿が個々に記されているために、「司牧書簡」と呼ばれている。

テモテとテトスは、いずれもパウロの親しい協力者であった。

テモテは、パウロが「彼のようにわたしと同じ思いを抱いて、親身になってあなたがたのことを心にかけている者はほかにいない」とフィリピの信徒への手紙(2,20)で述べているように、彼に深い信頼を置き、マケドニア、テサロニケ、コリントへの重要な宣教に派遣している。カイサリアのエウセビウスによれば、テモテはエフェソの最初の司教になった。

テトスもまた、彼に宛てた書簡に「信仰を共にするまことの子テトス」(1,4)と記されているように、パウロにとって親しい存在であった。実際、パウロは彼にコリントの教会への難しい宣教を任せているほか、ニコポリスにいる自分のもとに呼んだり、ダルマティアに送り出したりしている。テトスへの手紙(1,5)は、彼がクレタで司教の立場にあったことを示している。

彼らに宛てた書簡は、パウロ自身が書いたものか議論の対象となっているが、パウロの心と口から出たとしか思われない内容が見られることからも、パウロの書き物や言葉を彼に近い人々が補充しながら、彼の教えを新しい世代に伝えるものであったとも考えられると、教皇は述べた。

さらに、教皇はこの時期のパウロが自分を「宣教者、使徒、異邦人に信仰と真理を説く教師」と定義し(1 テモテ 2,7、2テモテ1,11)、「わたしが憐れみを受けたのは、キリスト・イエスがわたしに限りない忍耐をお示しになり、わたしがこの方を信じて永遠の命を得ようとする人々の手本となるためだった」(1テモテ1,16)と過去を顧みて使命の自覚を固めていること、また、誤りや偽りを説く人々の出現をすでに予告するなど、教会を取り巻く状況が変化していることなどを説明された。

教皇はこれらの書簡の特徴として、パウロの教えの普遍性、信仰を真理として示している点、聖書についての深い理解と信仰の遺産に対する忠実を説き、聖書と聖伝を教会生活と宣教における「神が据えられた堅固な基礎」として共に提示している点などを挙げられた。

また、これらの書簡で、教会組織の中に司教・司祭・助祭の3つの役割が登場していること、パウロが教会を神の家族として捉え、その中で父親的権威を持つ司教のあるべき姿・素質を具体的に列挙していることなどを紹介された。







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