2008-12-26 16:35:12

「真理と愛の力で悪に打ち勝とう」教皇、聖ステファノの祝日に


主の降誕の大祝日に続く26日、教会暦はキリスト教の最初の殉教者、聖ステファノを記念した。

教皇ベネディクト16世は、バチカンで行なわれた正午の祈りの集いで、聖ステファノの殉教と使徒聖パウロの回心の関係を見つめる説教を行なわれた。

聖ステファノの人となりや説教については、使徒言行録6、7章に詳しい記述を見出すことができる。

エルサレムの初代教会で他の6人と共に助祭に選ばれた「信仰と聖霊に満ちている人ステファノ」(使徒言行録6,5)が、その情熱的で勇気ある説教によって逮捕され、石打ちにあって殉教したいきさつを教皇は思い起こされた。

ステファノの殺害の場に、人々が脱いだ服の番をする若者として初めてサウロ(パウロ)が登場するが、教皇はステファノの殉教が当時「熱心な教会の迫害者」(フィリピ3,6)であったパウロに与えた大きな影響を考えられた。

ステファノの殉教後も、サウロはキリスト者たちへの迫害の手を休めず、さらなる信者たちを捕らえるためにダマスコに向かっていた。しかし、町に近づいた時、サウロは光に照らされ地に倒れ、「サウル、サウル、なぜ、私を迫害するのか」という声を聞いた。

サウロはキリストと同じように自分の殺害者を赦し祈りながら死んでいったステファノの殉教のありさまを目撃していたが、「わたしはあなたが迫害しているイエスである」という声に、教会を迫害することは、すなわち死んでまことに復活したイエスを迫害することなのだと悟ることになった、と教皇は述べられた。

教皇は、パウロはキリストの声の中にステファノの声をも感じ、ステファノの取次ぎもあって、神の恵みが彼の心に触れることができたのかもしれない、と観想された。

そして教皇は、イエスがもたらした死に対するいのちの勝利、憎しみに対する愛の勝利によって、今日においても多くのキリスト者が悪に悪を返さず、真理と愛の力をもって応え続けることができるよう祈られた。

集いの後半、教皇は今年11月にケニアで誘拐された「ド・フーコー神父の観想宣教運動」の修道女2人の一刻も早い解放をアピールすると共に、世界各地で不法監禁されている多くの人々のために、祈りを呼びかけられた。







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