2008-10-16 17:25:39

世界食糧デー:教皇、食糧不足招く消費主義や投機に警告


「世界食糧デー」を記念した16日、教皇ベネディクト16世は、国連食糧農業機関(FAO)のジャック・ディウフ事務局長にメッセージをおくられた。

世界の食糧問題への意識を高め、飢餓・栄養不足・貧困との闘いへの連帯を高めるために、国連食糧農業機関は、1979年、FAOの設立記念日10月16日を、「世界食糧デー」として宣言、翌年、国連総会でその制定がなされた。

今年の世界食糧デーのテーマは、「世界の食糧安全保障:気候変動とバイオエネルギーの課題」。

教皇はメッセージの中で、今日の手段と資源をもって一人ひとりの必要を満たすだけの食糧を配給することが可能であるのに、なぜ多くの人が飢えに苦しむのを防ぐことができないのか、と問いながら、その様々な原因を示されている。

現代世界で食糧の過剰と欠乏がしばしば背中合わせになっている原因として、教皇は、止まることを知らぬ消費主義や、国家やグループ間のエゴイズム、行き過ぎた投機主義が価格や消費のシステムを揺るがしていると指摘。

教皇はさらに、公的生活の中で贈賄のために正しい食糧管理が欠如していること、武器や軍事技術への予算増大のために市民に一番必要なものが圧迫を受けていることなども、問題の一因として挙げられた。

現代文化が物質主義に偏重し、人間の本質や高い理想などを置き去りにする中、多くの人が貧しい人たちに対する関心や責任を引き受けることができないと教皇は述べ、飢餓と闘っていくためには、気候変動や農業技術に対する研究はもとより、人間の価値を再発見していくことが必要と強調されている。







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