2008-09-01 17:37:26

教皇、ヨーロッパへの不法移住者たちへの配慮を訴える


 教皇ベネディクト16世は、ローマの夏の猛暑を避けて目下滞在中のローマ郊外カステルガンドルフォの夏の教皇宮殿中庭で恒例日曜正午のアンジェラスの祈りのために集まった世界各国からの巡礼者たちとともに聖母マリアへの祈りを唱えられた。
祈りの前に短い話をされ、その中で今ヨーロッパ、特に地中海沿岸諸国で今大きな問題となっている不法移民の問題にふれ、よりよい生活を求めて生命危険を冒して移民してくる不法移民たちのために、問題解決の困難さを認めながらも何らかの配慮をするよう訴えられた。
教皇はその中で 移民の問題は今日、急に始まった問題ではなく人類の歴史の中で定期的に繰り返される現象であり、諸国間の連帯、相互理解および社会関係を常に特徴つけてきた問題あることを想起された。教皇は移民たちの祖国の施政者たちに移民せざるを得なくさせる各国の経済的貧困や不安定な国内状況、内戦や天災の諸悪の改善に努力を促すと同時に、移民たちの目的地である先進諸国にも連帯と理解の精神を持って問題に対処していくよう促された。また何よりも皆が人間生命の尊さ及び全ての人々に課された法律遵守という各自の義務をも自覚すべきだとも強調された。
教皇は恒例アンジェラスの祈りの前の短いお話の中で、この日は福音書のエピソードから題材をとり、世の救いのためにキリストの十字架の犠牲が必要であったこと、そして今日もなお必要されていることを解説された。
受難および十字架上での犠牲を実現するためにエルサレムに向かうキリストを阻止しようとしたペトロをいさめ、救いの実現に関して神の考えと人間の考えがどれほど異なるかを説明されたキリストは、自らの十字架上での死は天の御父の救いの計画実現の一画であること、しかしそこで全てが終わるのではなくその後の復活、死に対する完全な勝利で救いが完成することを説明された。
人類の罪、悪の大きさからそれに打ち勝つためには神の御子の十字架の犠牲が必要だったことを解説された教皇は、師キリストに倣いその弟子である信者たちも、それぞれの十字架を担い救いの御業の実現に協力する必要性を力強く訴えられた。
その後教皇は聖母マリアへのアンジェラスの祈りをラテン語で皆とともに唱えられ、イタリア語や英語など5ヶ国語で心のこもった挨拶をそれぞれの巡礼団におくられた。また会場に姿を見せていた多くのサレジオ会司祭たちやドミニコ会修道女たちにも励ましの言葉をおくられ、特に1612年に3人のインデイオスによる「コブレの愛徳の聖母像」発見400年記念祭の3年間の特別準備年を開始するキューバからの司教たちや巡礼者たちに教皇は特別な注意を向けられ、聖母の取次ぎによっていかなる生活の場においてもキリストの福音に奉仕する忠実な宣教師であるよう勤めてくださいとキューバの信徒たちに励ましの言葉をおくられた。







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