2008-08-04 16:31:09

教皇、帰天30年のパウロ6世を追憶、オリンピック:「兄弟愛と平和の証しであるように」、日曜の集いで


教皇ベネディクト16世は、3日、滞在先の北イタリア・ブレッサノーネで、日曜正午のアンジェラスの祈りの集いを持たれた。

緑の山々に囲まれた谷間の町、ブレッサノーネは、トレンティーノ=アルト・アディジェ州・ボルツアーノ自治県に位置し、人口およそ2万人。ティロル地方で最も古い歴史を持ち、地域の文化・社会・政治・経済に重要な役割を果たしてきた。地理・歴史的にドイツ語圏文化の影響が色濃く、ドイツ語とイタリア語の両方が話されている。

ベネディクト16世とこの町とのきずなは深く、教皇登位以前にはご自身の姉(現在は故人)と兄と共に、同地でしばしば休暇を過ごされてきた。今回の滞在にも兄のゲオルグ師が合流している。

先月28日にブレッサノーネ入りされて以来、教皇は大神学校で祈りと読書の静かな日々を過ごされているが、この日の集いは到着後一週間ぶりの公式行事となった。

集いの会場となった司教座大聖堂前広場は市民であふれ、祝祭的な雰囲気に包まれた。花で飾られた大聖堂の入り口で、教皇は笑顔で人々の歓声に応えられ、ドイツ語で感謝の言葉をおくられた。

教皇はこの日のミサ中の朗読箇所を示し、「与えられる、与える」ということをテーマに説教を行なわれた。

太陽やその光、空気や水、地上の美しさ、愛や友情など、「私たちが生きる上で最も重要なこと、基本的なことは、私たちが獲得したり、買ったものではなく、ただ与えられたものである」と教皇は強調。特に私たちに確実に与えられたものとして、教皇は神の愛を示され、聖パウロが言うように、何者もキリストの愛から私たちを引き離すことはできず、神の愛がある限り私たちは豊かであると説かれた。

さらに教皇は、神からこれだけ大きな恵みをいただいた私たちもまた、人に与える人間とならなければならないと述べ、優しさや友情、愛など精神的なことのほか、物質的なものを、必要とする人々に与えることで、地上をより人間的に、すなわちより神に近いものとしていくよう呼びかけられた。

この集いで教皇は、1978年8月6日・主の変容の祝日のパウロ6世帰天から間もなく30周年を迎えることを指摘され、神の民を贖い主キリストのみ顔の観想に導いたパウロ6世の類まれな教皇職を振り返られた。

そして、福者ヨハネ23世が開催した第2バチカン公会議を受け継ぎ、無事終了させ、さらに公会議後の激動の時代の教会を統率した、パウロ6世の超人間的ともいえる功績と、実り多く勇気ある司牧活動を神に感謝され、この偉大な教皇の教えを大切に守るよう信者らを招かれた。

また教皇は、今月8日(金)に開幕する北京オリンピックに対し、開催国と主催関係者、参加者、特に競技者らに温かい挨拶をおくられ、それぞれの人が純粋なオリンピック精神にのっとりベストを尽くすことができるようにと願われた。

国際レベルで最も重要なこのスポーツの祭典を深い共感をもって見守りたいと述べた教皇は、この大会が国際社会に、同じ尊厳の尊重に基づいた出身の異なる人々の間の共存の模範を示し、スポーツが兄弟愛と民族間の平和のしるしとなることができるようにと祈られた。

 







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