2008-07-18 17:36:49

WYDシドニー:教皇と若者たちによる十字架の道行き、主の受難を黙想


シドニーで行なわれている第23回世界青年の日(ワールドユースデー、WYD)大会は、18日、開会から4日目を迎えた。

前日17日より教皇ベネディクト16世の公式行事への参加を得て、WYD大会の活気はますます高まっている。

この日の午後は、大会中の重要行事である十字架の道行きが教皇ベネディクト16世によってとり行われた。

十字架の道行きは、キリストの受難を14の場面に分け、各所ごとを黙想し祈る信心業。

WYD今大会の十字架の道行きは、キリストの受難のストーリーを劇で表現する「受難劇」を交えた様式で行なわれた。シドニーの街や港の各所を舞台に展開される受難劇は、参加する人々の心に触れ、より深い黙想へと招くものとなった。

十字架の道行きは市内の司教座大聖堂より出発した。大聖堂前ではイエスの最後の晩餐の場面が無言の中に演じられた。イエスはこの後、弟子を連れてゲツセマニへと向かう。この劇に続き、教皇は最初の祈りをもって、十字架の道行きを開始された。

大きな十字架は若者たちに運ばれシドニー市内を巡り、各留ごとにイエスの受難の一場面が劇で表現された。この受難劇では、イエスをはじめ、十二使徒、聖母、ピラトなどおよそ100人の若い俳優たちがそれぞれの役を演じた。十字架の道行きの黙想テキストはイエズス会のピーター・スティール神父によって準備され、舞台監督は、司祭叙階以前にオペラ監督という経歴を持つ、フランコ・カヴァンナ神父が担当した。十字架が静かに進む中、近代的なシドニーの街並みは、参加者の目には2千年前のエルサレムへと変化していった。

十字架の道行きの行列は、今回のWYDの主要会場となっているバランガルーの埠頭へと向かった。埠頭ではイエスが十字架に架けられる場面と、十字架から下ろされる場面が演じられた。陽の落ちた海と空を背景に浮かび上がるイエスの十字架は、参加者らに深い感動を残した。

教皇は第一留以降、大聖堂の地下聖堂で祈りながら十字架の道行きに参加された。

オーストラリアでの公式行事を開始して2日目、教皇はこのほかにも様々な日程をこなされた。

同日午前、教皇はまず大司教館にニュー・サウス・ウェールズ州知事と、シドニー市長の訪問を受けられた。

また、大聖堂の地下聖堂とホールで、教皇とオーストラリアのカトリック以外のキリスト教教会代表者とのエキュメニカルな集いと、諸宗教関係者との出会いがそれぞれ行なわれた。

正午頃には、現在ではWYD大会の恒例となっている、教皇と若者たちとの昼食会も開かれた。大司教館でのランチには、5大陸からそれぞれ男女2名、オーストラリアから同じく2名の合計12名の青年が招かれ、教皇と共に食卓を囲んだ。

招待者の一人、コンゴ民主共和国のジャン・ファビアン・バロツァさん(29)は、教皇との昼食を「実に素晴らしい体験」と表現、「教皇との会話はまるで一家の父と話すようで、教皇は私たちに耳を傾け、皆を勇気付け、祝福してくれた」と語った。参加者らは、それぞれの国での体験や、若者たちの問題などを教皇に話したという。

そして夜、教皇はノートル・ダム大学内の教会を訪れ、薬物中毒などからの社会復帰を目指す若者たちの共同体とその家族らとお会いになった。

ここでは、共同体を代表して2人の青年がそれぞれの危機的な体験と、キリストとの出会いを語った。

若者たちと共に祈られた教皇は、「人生を真に生きたいならば、いのちを与えてくれる唯一・真の神を選ばなくてはならない。しかし人々は分かち合えない、偶像化された物質への欲望や、自己中心的で支配的な愛など、別の「神々」を知らずに選んでいる」と述べ、信仰と共に困難な状況を抜け出した若者たちに、「希望の大使」となって同世代の人々にイエスとの友情によって得た真の人生の意味を伝えていって欲しいと、温かい励ましを与えられた。







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