2008-06-30 19:08:10

「異邦人の使徒、イエス・キリストの布教者」聖パウロの特別年始まる


教皇ベネディクト16世は、28日、ローマの城壁外の聖パウロ大聖堂でとり行なわれた第一晩課の中で、使徒聖パウロの生誕2千年を記念する「パウロ年」を開幕された。

聖パウロは、サウロとも呼ばれ、キリキアのタルソに生まれた。熱心なファリサイ派としてキリスト教徒を迫害したが、ダマスコへの途上で回心した。アンティオキアで布教した後、三回に渡る大伝道旅行を行なった。エルサレムで捕らえられた後、カイサリアで監禁され、ローマに裁判のため護送された。ローマで宣教していたが、67年頃、ネロ帝の迫害中に殉教した。パウロは様々な地方の教会に宛て多くの書簡を記した。

ローマ4大聖堂の一つ、城壁外の聖パウロ大聖堂(サン・パウロ・フォーリ・レ・ムーラ)は、使徒パウロの殉教から間もなく、その墓が巡礼地として次第に発展していったもの。紀元後67年、ラウレンティーナ街道近くのパルーデ・サルヴィア(現在はトレ・フォンターネと呼ばれている)で殉教した聖パウロは、そこから程近い、オスティア街道沿いの現在同バシリカが建つ場所に葬られた。コンスタンティヌス帝時代に建てられた初代のバシリカは、その後たび重なる改築を経ていったが、1823年の火災で大部分が焼失。現在のバシリカは1854年、教皇ピオ9世によって新たに献堂されたものである。

翌29日の聖ペトロ・聖パウロの大祝日を前に行なわれたこの開幕の儀式には、エキュメニカル総主教バルトロメオ1世をはじめ、カトリック以外のキリスト教諸教会の使節も参加した。

聖歌や連祷が厳かに響く中、諸キリスト教会代表者らやバシリカに隣接するベネディクト会の修道者らと大聖堂の柱廊を進まれた教皇は、聖パウロの彫像の前でろうそくの火を灯された。バルトロメオ1世と英国聖公会の代表も同様に火を灯した。この「パウロの火」はパウロ年を通じて灯され続ける。

続いて、宗教行列は「パウロの扉」をくぐり、バシリカ内に入った。内陣から教皇は聖パウロの墓に降りられ、墓前で沈黙のうちに祈られた。

教皇は第一晩課の中で行われた説教で、「異邦人に信仰と真理を説く教師」(1テモテ2,7)、イエス・キリストの使徒・布教者である聖パウロの生誕2千年を記念するにあたり、パウロとはどういう人だったか過去の歴史を振り返るのではなく、パウロとは私たちにとって誰なのか、パウロが私たちに話しかけることは何であるのか、今の時代の中で追求していくよう招かれた。







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