2008-06-19 13:28:31

セビリアの聖イシドロを考察、教皇一般謁見


教皇ベネディクト16世は、バチカンで18日、水曜恒例の一般謁見を行なわれた。

謁見中のカテケーシス(教会の教えの解説)で、教皇は6,7世紀のスペインで活躍した聖イシドロ司教教会博士を取り上げられた。

聖イシドロは、セビリア司教聖レアンドロの弟として、学究熱心で自分に厳格な兄の影響を受けて成長した。イシドロはまた、聖大グレゴリオ教皇の友人でもあった。

聖イシドロの時代は、イベリア半島への西ゴート族による侵入と支配の時代であり、それはローマ帝国統治時代に人々が信仰していたキリスト教の正統な教えが、異民族侵入と共にもたらされた異端の教えに押しやられる危機に瀕した時でもあった。

イシドロは兄レアンドロの死後、599年セビリア司教となり、当時のスペインの教会が直面していた社会・政治的な数々の困難を受け継いだ。636年に亡くなるまで、教会の司牧、貧しい人々への愛徳の業、異民族の異端からの回心のため尽くし、多くの著作と共にキリスト教の伝統と文化を伝えた。

教皇は、イシドロは大聖グレゴリオや聖アウグスティヌス同様、隠遁のうちに研究・観想に没頭したい気持ちと、司教として人々に愛をもって奉仕したいという2つの内的要求を抱えていたことを推察。

しかし、イシドロは、日中は人々にしるしや奇跡を与え、夜は山で祈り明かしていたイエスご自身を模範とすることでその葛藤を昇華させ、まれに見る偉大な司牧者として生きることができたと話された。

巡礼者への挨拶で教皇は、観光や巡礼、休暇と休養の夏シーズンの訪れに言及され、若者たちが夏を社会的・宗教的体験に生かすことができるよう、さらに病者がこの期間、家族のそばで慰めを得ることができるよう願われた。

教皇はまた、現在、カナダ・ケベックで開催中の第49回国際聖体大会の参加者らに向け挨拶をおくられた。

ケベックの国際聖体大会は「聖体、世を生きるための神の贈り物」をテーマに今月15日から22日まで行われている。教皇は同大会にジョセフ・トムコ枢機卿を特使として派遣されている。

現地の参加者らへの精神的一致を表された教皇は、聖体大会をカナダと全世界の教会にとって祈りと、聖体の神秘についての考察と観想の時とし、この機会に祭壇の聖体に現存するキリストにおける教会の信仰を強めるよう招かれた。







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