2008-06-12 15:33:25

聖コロンバンをテーマに、教皇一般謁見


教皇ベネディクト16世は、バチカンで11日、水曜恒例の一般謁見を行なわれた。

謁見中のカテケーシス(教会の教えの解説)で、教皇は中世初期のヨーロッパの宣教に貢献した聖コロンバン修道院長を取り上げられた。

聖コロンバンは543年頃アイルランドに生まれた。20歳前後でバンゴアの修道院に入り、司祭に叙階された。彼は厳しい修道院の規律を熱心に実践し、修道院長コムガルの徳と共にこの時期の体験は、後の彼の修道生活概念に大きな影響を与えた。

50歳頃、やがて「キリストのための巡礼者」として、ヨーロッパでの宣教活動を始めるために同志らと共に修道院を後にした。

当時のヨーロッパは北方と東方からの民族の移住により、すでにキリスト教化された地方にも再び異教が広がっていた。ブルターニュ地方から現在のフランスに入った彼と仲間たちは、アンヌグレイ、リュクスイユ、フォンテーヌに修道院を設立。彼らの生活は多くの人々の魂を惹きつけ、その共同体はヨーロッパの修道・宣教生活の中心の一つとなっていった。

聖コロンバンはリュクスイユで約20年間生活し、ここで修道会則をはじめ多くの著作を残した。彼の会則は一時期のヨーロッパにおいて、聖ベネディクトの会則以上にヨーロッパに普及した。

彼の厳格な倫理的教えはフランク王国の王家とも摩擦を起こし、彼とその仲間は610年、追放されることになった。

しかし、聖コロンバンらはライン地方、イタリアへと宣教の旅を続け、やがて北イタリアのボッビオに大修道院を創立。彼はランゴバルド族の間でまだ多数を占めていたアリウス派の異端者たちの改宗のため、また当時分裂が見られた北イタリアの教会と教皇との関係の和解・一致のために大きな働きをした。

教皇はこうした聖コロンバンの生涯を紹介しながら、霊的なエネルギーと信仰、神と隣人への愛をもってヨーロッパの再福音化、中世修道生活文化の形成に貢献したその功績を解説された。







All the contents on this site are copyrighted ©.