2008-04-20 18:03:26

教皇、「グラウンド・ゼロ」で祈り、犠牲者の冥福と世界の平和願う


教皇ベネディクト16世の米国司牧訪問は、20日、最終日を迎えた。

この朝、教皇は、2001年9月11日の同時多発テロで崩壊したワールド・トレード・センター跡地、「グラウンド・ゼロ」を訪れ、深い祈りを捧げられた。

高層ビルの間に広がる巨大な窪地を前にされた教皇は、沈痛な面持ちで祈祷台にひざまずき沈黙のうちに祈り続けられた。

続いて、教皇は一本のろうそくに火をともされた。

そして、「愛とあわれみと和解の神よ、途方もない暴力と苦しみの現場となったこの場所に今日集った、信仰も伝統も様々な私たちに、どうかあなたの眼差しを向けてください」と、このように始まる祈りにおいて、教皇は犠牲者の冥福と、世界に真の平和の賜物を祈り求められた。

この祈りの中で教皇は、英雄的な救助活動によって命を失った消防士や警官たち、ここで働いていたために犠牲となった無実の市民ら、2001年9月11日の悲劇で亡くなったすべての人々に永遠の安息があるよう、またこの事件による負傷者と病者、親しい人々を失った遺族らに、生きていくための勇気と希望が与えられるよう神に願われた。

さらに教皇は、同日のペンタゴンとペンシルバニア州シャンクスビルにおける犠牲者・負傷者らをも思い起こされた。

「平和の神よ、あなたの平和を暴力に満ちた私たちの世界にもたらし、すべての人の心と、地上の国々の間に平和をお与えください。憎しみに心をすり減らせた人々をあなたの愛の歩みに向かわせてください」と教皇は祈られ、真の平和と愛が統治する世界を構築するための叡智と勇気、希望における慰めと強めを神に希求された。

教皇の祈りの式には、同時多発テロ時に救出活動に従事した消防士や救急隊員、警察官、犠牲者の遺族代表らが参列した。

参列者の一人ひとりの手を取られた教皇は、遺族らの言葉にじっと聞き入られ、慰めを与えられた。

同日午後、教皇は米国司牧訪問の最後の公式行事として、市内のヤンキー・スタジアムで市民参加のミサを捧げられる。そして、夜、ケネディ国際空港よりローマへの帰途につかれる予定。







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