2008-04-08 14:58:41

20世紀の殉教者を思う、教皇、聖バルトロメオ教会訪問


教皇ベネディクト16世は、7日午後、ローマ市内のサン・バルトロメオ・アル・イゾラ教会を訪問された。

テヴェレ川の中洲、ティベリーナ島(イゾラ・ティベリーナ)の一角を占める同教会は、10世紀末を起源とし、使徒聖バルトロマイに捧げられたもの。中世期の鐘楼以外は、たび重なる改築・改修を経て、現在は18-19世紀様式をとどめている。

前教皇ヨハネ・パウロ2世は、紀元2000年の大聖年を機会に、同教会を20世紀の殉教者らを記憶するための巡礼聖堂とすることを望まれ、その計画を聖エジディオ共同体に託された。

今日、聖堂の中央祭壇の背後には「1900年代の殉教者と信仰の証人たち」をテーマとした大きなイコンが置かれ、側廊の各礼拝堂は、ナチズムや共産主義下の殉教者、スペインやメキシコの迫害下の殉教者、そして、アフリカ・中南米・アジア・オセアニア・中東の殉教者らなど、20世紀そして今世紀の世界の殉教者らにそれぞれ捧げられている。

強い風の吹くこの日、テヴェレ川の水に囲まれて病院や教会が建つ小さく静かな中洲、ティベリーナ島には、教皇を歓迎する子どもたちや信者らの歓声が響いた。

同教会を訪れた教皇は、ローマ教区や聖エジディオ共同体の関係者らや大勢の巡礼者たちと共にみ言葉の祭儀を行なわれた。

教皇は20世紀の殉教者たちの記憶と証しにあふれるこの教会で、なぜ殉教者たちは自分の大切な命を捧げるに至ったのかと説教の中で問いながら、その答えは愛の炎の中にあると答えられた。

暴力や全体主義、迫害の中でその信仰の声をかき消すために殺害された人々は、歴史の中では一見敗北したかのように思われるが、彼らは復活のキリストの光のもとで、「わたしは弱い時にこそ強いからです」 (2 Cor 12,10)という聖パウロの言葉の真理を証し、愛は死に勝利することを示していると述べられた。

この後、教皇は現代の殉教者たちに捧げられた礼拝堂の一つひとつを訪れ、祈りの時をもたれた。

訪問を終え教会の外に出られた教皇は、今年創立40周年を迎えた聖エジディオ共同体の会員らに対し、キリストの愛を証しする日頃の活動に感謝と励ましの言葉を述べられると共に、教会の向かい側にあるファーテベーネ・フラテッリ病院の患者や医療関係者らにも挨拶をおくられた。







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