2007-11-08 17:27:20

聖ヒエロニモをテーマに、教皇一般謁見


教皇ベネディクト16世は、バチカンで7日、水曜恒例の一般謁見を行なわれた。

謁見中の教皇によるカテケーシスでは、初代教会の教父の考察として、4、5世紀に活躍した聖ヒエロニモ(ヒエロニムス)が取り上げられた。

教皇は、聖書を全生涯の中心に据えた教父として聖ヒエロニモを紹介。聖書をラテン語に翻訳し、それを著書の中で注釈したことはもとより、実際に神のみ言葉に忠実に生きた同聖人の、聖書に捧げたその生涯を振り返られた。

聖ヒエロニモは347年頃、ダルマチアのストリドンのキリスト教徒の家庭に生まれた。ローマでも勉学するなど、高い教養を積んだ。366年に受洗。修徳生活の中でギリシャ語とヘブライ語を学んだ。観想と孤独、み言葉に親しむ生活の中でキリスト教的感性を成熟させていった。

382年、ローマに移ったヒエロニモは教皇ダマソの秘書となり、同教皇から聖書のラテン語訳の仕事を励まされた。

教皇ダマソの死後、385年、ヒエロニモはローマを離れ聖地とエジプトを巡礼し、386年ベトレヘムに退いた。ここに彼は修道院や、巡礼者のための宿舎を建てた。聖書の注釈をし、異端に反駁し、修道者たちを完徳の道へと導き、古典とキリスト教文化を教え、巡礼者たちの司牧をするなど、精力的な活動を続け、419年または420年に同地で帰天した。

聖ヒエロニモはその文学的素養と博識をもって聖書の多くの書の校訂と翻訳を行い、その貴重で素晴らしい仕事は「ヴルガータ訳」として、その後も改訂を経ながらカトリック教会のラテン語訳聖書の標準テキストとして伝わってきたことを教皇は紹介された。

ヒエロニモから学ぶべきこととして、教皇は「聖書における神のみ言葉を愛すること」を示され、「聖書を無視することは、キリストを無視すること」とヒエロニモも述べているように、すべてのキリスト者は聖書から与えられた神のみ言葉と親しみ、対話しなくてはならないと説かれた。

また、教皇は聖書に親しむ上で、個人的な神との深い対話としての側面と、神への歩みにおいて人々の交わりを形成するものとしての共同体的側面の2つがあることを指摘された。

「人間の考えは移ろうが、神のみ言葉は時を超越する」と述べた教皇は、永遠の命の言葉であるみ言葉を自分の中に持つことは、自分自身の中に永遠を持つことであると話された。







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