2007-11-05 16:16:41

教皇、トルコ・イラク国境の緊張に平和解決呼びかけ


教皇ベネディクト16世は、バチカンで4日、日曜正午のアンジェラスの祈りを信者と共に唱えられた。

集いの中で教皇は、トルコとイラクの国境で高まる緊張関係を憂慮された。教皇はトルコとイラク北部クルド人居住区の国境地域の緊張状態の平和的解決を呼びかけられると共に、イラク国内の不安定な治安やテロから逃れるためこの地方に身を寄せているキリスト教徒を含む多くの難民に思いを寄せられ、すべての当事者に平和のための努力を強くアピールされた。

またこの日、移民問題にも言及された教皇は、移民と受入れ国の市民の関係がそれぞれの国の精神・文化価値に培われた高い倫理性を反映したものであるようにと願われ、安全と受け入れを願う者は、人民間の真の共存と出会いの基礎にある権利と義務を保証しなければならないと述べられた。

祈りの前の説教で、教皇はこの日の福音朗読箇所、エリコにおけるイエスと徴税人ザアカイの出会いのエピソード(ルカ19・1-10)を考察された。

金持ちのザアカイはローマのために税を取り立てる徴税人を職業とするために人々から罪びととみなされていた。ザアカイはエリコを通るイエスをどうしても一目見たいと木に登ったが、イエスは彼の姿を認めて「ザアカイ、急いで降りなさい。今日はあなたの家に泊まりたい」と呼びかけた。ここに、教皇は、人から蔑まれているザアカイをその名で呼び、救いの時を与えるイエスの大きな憐れみを指摘された。

この思いがけない出会いの恵みは、ザアカイの人生を完全に変えるものとなり、彼は財産の半分を貧しい人々に施し、誰かから不正に取ったものがあればそれを4倍にして返すと、イエスに言う。神のみ心から出た愛は、人間の心を通して働き、世界を刷新する力となっていくことを、福音はここでも私たちに告げていると、教皇は説かれた。

教皇はこの真理を特別な証しをもって輝かせた聖人として、典礼暦でこの日記念された聖カルロ・ボロメオ司教を挙げられ、謙遜をモットーに、イエスのようにすべての人のしもべとなって生きた同聖人の愛と教えと熱心な使徒職の模範を振り返られた。

そして、聖カルロ・ボロメオを洗礼名に持つヨハネ・パウロ2世を思い起こされつつ、世界中の司教らを同聖人に託し、聖母の保護を祈られた。







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